電流・電圧・抵抗

「電流と電圧って、どう違うの?」「抵抗は何をしているの?」
最初は、言葉の区別がつかなくても大丈夫です。豆電球の回路を出発点にして、電気回路の基本をひとつずつ見ていきましょう。

この記事でわかること

  • 豆電球を光らせるために必要な「電気回路」
  • 電流・電圧・抵抗の役割と、水の流れで考えるイメージ
  • 記号 I・V・R と、単位 A・V・Ω の使い分け

電気回路ってなに?

目の前に、1つの豆電球があるとします。
この豆電球を光らせたいとき、どうすればよいでしょうか?

豆電球を持ち、回路の学習を案内するエリス

いちばん簡単な方法は、電池をつなぐことです。電池と豆電球を導線でつなぐと、電気が流れ、豆電球は光ります。

エリス
ここで大切なのは、ただ適当につなげばよいわけではないということです!

豆電球を光らせるには、電池の片方の端子から豆電球を通り、もう片方の端子へ戻る、電気がぐるっと一周できる道を作る必要があります。

電池と豆電球を導線で一周つないだ回路
電池・導線・豆電球で、切れ目のない道を作ります。

このように、電気が流れる道を作ったものを「電気回路」、または短く「回路」といいます。道がつながった状態は「閉回路」、スイッチなどで途中が切れた状態は「開回路」です。今回の回路では、道が途中で切れると電流が流れなくなり、豆電球は消えます。

実際の部品をそのまま描くと、複雑な回路は見づらくなります。そこで、部品を決まった記号で表した「回路図」を使います。

電池と豆電球を記号で表した閉回路の回路図
つながり方は同じまま、部品を記号に置き換えたものが回路図です。
エリス
今回の回路では、電池が「電源」、豆電球が「負荷」です。

電流ってなに?

豆電球が光るとき、回路の中では電気が流れています。この「電気の流れ」を表す量を、電流と呼びます。

電流は、水路を流れる水にたとえるとイメージしやすくなります。水路のある場所を1秒間に通る水の量が多いほど、流れる量は大きいといえます。電流も、同じように「1秒間にどれだけの電気が通るか」に注目します。

水を流し続けるには、たとえばポンプで水を高い場所へくみ上げ、水面の高さに差を作ります。電気回路では、電池が電気を流そうとするはたらきを生み出します。このはたらきにあたるものが、次に説明する電圧です。

まずは、こう覚えましょう

  • 電流:電気の流れを表す量
  • 電圧:電気を流そうとするはたらき

電流の大きさと単位

電流は、導線のある場所を一定時間にどれだけの電荷が通過したかで表します。電流の記号はI、単位はアンペア[A]です。

電子などがもつ電気的な性質を「電荷」といいます。ここでは、その量を「電気の量」と考えれば十分です。電荷の量の単位にはクーロン[C]を使います。

電荷の量をQ、時間をtとすると、一定の電流では次のように表せます。

I =

I:電流[A] Q:通過した電荷[C] t:時間[s]

たとえば、3秒間に6 Cの電荷が通過したとします。このときの電流は、次のように計算できます。

I = = 2 A

つまり、1秒あたり2 Cの電荷が通過したということです。

このように、電流は「1秒間に通過する電気の量」と考えると、理解しやすいでしょう。

電流の向き

回路図では、電流の向きも決めて考えます。電池の外側の回路では、電池の+端子から負荷を通って−端子へ向かう向きを、電流の向きとして扱います。

豆電球の回路を流れる電流の向き
エリス
電流は「1秒間に流れる電気の量」と考えると、イメージしやすいですよ。

電圧ってなに?

では、電気を流そうとするはたらきである電圧について考えてみましょう。水路では、水面の高さに差があると水が流れます。そして、高さの差が大きいほど、水は強く流れます。

電圧は、2点の間の差

水面の高さを「10m」と表すには、どこかを「0m」と決める必要があります。同じ基準から測って、一方の水面が10m、もう一方が4mなら、2つの水面の高さの差は6mです。水を流そうとするはたらきに関係するのは、この「高さの差」です。

電気で、水面の高さにあたるものを「電位」といいます。そして、2点の電位の差を「電圧」と呼びます。水面の高さを比べるのと同じように、電圧も「どことどこの間か」を決めて考えます。

電圧の記号はV、単位はボルト[V]です。たとえば「電池の電圧が1.5 V」とは、電池の+端子と−端子の間に、1.5 Vの電位の差があるという意味です。

エリス
電圧は「2点の間の差」。どことどこの間の電圧なのかを、いつも確かめてみましょう。

抵抗ってなに?

回路の中には、電気の流れを妨げるはたらきをする部品もあります。その流れにくさを表す量が、抵抗です。

抵抗は、電流の流れにくさを表す量です。記号はR、単位はオーム[Ω]を使います。

水路の流れにくさで考える

細い水路や、途中に水車がある水路では、水は流れにくくなります。水車は水の力を受けて回りながら、水の流れを妨げます。この「流れにくさ」が、抵抗のイメージです。

電気回路でも、部品や導線のつくりによって、電流の流れにくさが変わります。流れにくさが大きい部品ほど、電流の流れを抑えるはたらきが強い、と考えましょう。

豆電球のフィラメントにも抵抗があり、その抵抗を利用して電気のエネルギーの一部が光や熱に変わります。

抵抗を通っても電流は消えない

「電気のエネルギーが光や熱に変わる」と聞くと、豆電球を通るうちに電流が減ったり、なくなったりするように思えるかもしれません。ここでも、水車を流れる水を思い浮かべてみましょう。

水は、水車を回すためにエネルギーを渡します。それでも、水そのものが使い切られるわけではなく、水車を通った後も流れていきます。途中で漏れたりたまったりしなければ、同じ時間に水車へ入る水の量と、出ていく水の量は同じです。

電気回路でも、豆電球で光や熱に変わるのは、電気のエネルギーです。枝分かれのない回路では、豆電球に入る電流と出ていく電流の大きさは同じで、電流が途中で使い切られるわけではありません。

エネルギーについては、後の章で詳しく説明します。今は「光や熱に変わるのはエネルギーで、電流そのものは消えない」と押さえておきましょう。

エリス
電圧が電気を流そうとし、抵抗が電気の流れを妨げる。それぞれの役割が見えてきましたね。

3つの関係を整理しよう

ここまでの3つの役割を、ひとつの水路で見てみましょう。ポンプが水をくみ上げて高さの差を作り、水が流れて水車を回し、再びポンプへ戻ります。図の注釈と、下の表を見比べてみてください。

電池をポンプ、電流を1秒間に流れる水の量、電圧を水面の高さの差、抵抗を流れを妨げる水車にたとえ、エリスが案内する図
電流・電圧・抵抗を、水の流れで整理したイメージ。画像をタップすると拡大できます。
電流・電圧・抵抗の見分け方
量 意味 記号・単位 水でたとえると
電流 電荷が流れる割合 I / A(アンペア) 1秒間に通る水の量
電圧 2点間の電位の差 V / V(ボルト) 水面の高さの差
抵抗 電流の流れにくさ R / Ω(オーム) 水車などによる流れにくさ

確認問題に挑戦

最後に、短い問題で確かめましょう。答えは「答えと解説」を開くと読めます。

言葉を選ぼう

① 電荷が流れる割合を表すのは?
② 2点の間にかかり、単位にVを使うのは?
③ 電流の流れにくさを表すのは?

答えと解説

① 電流 ② 電圧 ③ 抵抗です。電流はA、電圧はV、抵抗はΩという単位も、合わせて確かめましょう。

今回のまとめ

  • 電流が流れるには、切れ目のない回路が必要です。
  • 電流 I[A]は、電荷が流れる割合です。
  • 電圧 V[V]は、2点の間の電位の差です。
  • 抵抗 R[Ω]は、電流の流れにくさです。
エリス
最初から全部を暗記しなくても大丈夫です。水の流れのイメージを手がかりに、少しずつ慣れていきましょう!

次のテーマは「オームの法則」です。今回登場した電流・電圧・抵抗の関係を、具体的な計算で整理していきます。

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